塔から吹き飛ばされてまたもや意識を失った8号。
やっと目を開けると……
天国だった。
いや違う、ちゃんと意識を取り戻した。
どうしてこの世界に巻き込まれたのか、なぜヒメセンパイが元の姿に戻ったのか、その理由はイイダさんにあるそうだ。
イイダさんの壁紙が相方であることに突っ込まないヒメセンパイ。こんなのもう日常茶飯事なのか。
というかこれ、金はともかく銀のネックレスをヒメセンパイが持っているのだけど、匂わせってやつだよな。
なぜここで急にテンタクルズファンを殺しにかかったのか理解ができない。勘弁してくれよイカ研究所。
……話を戻そう。
ここの世界は「ネリバース」で、イイダさんが作った仮想現実だ。
そして、精神だけをここに飛ばされてしまったらしい。
さっきの黒いモヤモヤ、オーダは、イイダさんを乗っ取り数多のヒトの精神をネリバースに取り込んだとのこと。
そしてミズタさんもそこに取り込まれたらしい。
(イイダさんの敬語が外れた!? オクト・エキスパンションの設定資料集のときから薄々感づいていたが、この二人、やはり交友関係があったのか……。「~のね」や「~ちゃ」など、女性に多く見られる話し方であったため驚いた。それよりも、イイダさんにはヒメセンパイ以外にも気が許せる相手が居たのかと思うと、胸がぐちゃぐちゃになって、もう……。イイダさんとミズタさんの関係が気に食わないとか、そういう話ではない。この7年間、ヒメセンパイ大好きなイイダさんを見続けていたせいで、私の感情が追い付いていないだけなのだ。あぁ、私はこれをどう処理すればいいのか……。)
オーダは「色のない秩序の世界」を目的としている。
所詮仮想現実なのだから現実には関係がない、ということではなく、ネリバースへ取り込む際に意思を奪う「ノンカラ処理」を行うため、ネリバースに取り込まれたヒトたちは現実でも段々と気力を失ってしまうそうだ。
このネリバースを作ったことに対してイイダさんは自責の念に苛まれるが、ヒメセンパイは「大事な理由があったからなんだろ?」とフォローする。
うーん、ここのシーンめちゃくちゃ良くなイカ?
二人が出会ってから9年。積み重ねてきた信頼の厚さが伺えて、私はここで目頭が熱くなった。
まだエンディングではないのに、この感情の乱れよう。私、最終決戦のときまで持つのだろうか。
何はともあれ、割とヤベーことになっているこの暴走、なんとかしても止めなければならない。
ということで、そのヤベーことの首謀者であるオーダを倒しに再度塔へ向かう。サイド・オーダーだけに。
塔へ向かう前に、バチバチに難しくなってしまった難易度に対抗するためのハッキング(簡単に言えば強化)と、近くにある謎のロッカーの確認に移る。
最初のハッキングは「最大ライフ」を強化した。ライフが一個だと流石に難しい。
そして、お楽しみのロッカー鍵開けタイム。
ロッカーの一つ目にあったのは……
……うん? 幻覚か?
と一瞬思ったが、ヒメセンパイとイイダさんの反応を見るに、現実らしい。
イイダさんは役に立つかもしれないと、恥ずかしがりながらも読むことの許可をくれた。
読んでいいんだ。ありがとう。
メニューに「日記」の項目があるのはこのゲームだけなような。
開くと、インスタのストーリー風な日記が画面に表示された。
……された、が。おいおい待て待て。その背景はなんなんだ。
(お互いのシンボルである王冠とヘッドフォンを交換してポーズを決める二人の写真。咽び泣くところだった。)
うん。十数年前のブログの雰囲気に似ていて、思わず笑ってしまう。
「うきゃ~~~!!」とか「ぶうぁ~~~っ」とか、独特な擬音語には目を背けて要約すると、前半がヒメセンパイへの愛、後半がネル社の被害者(「消毒」され自我を失ったタコたち)を助けるためにネリバースを作ったということだった。
そんなスゴイことを成し遂げようとするイイダさん。……この天才を失ったタコワサ将軍率いるタコたちの損失、ヤバくないか?
色々と準備が整ったところで、塔の内部にレッツゴー。
9Fまではサクサクと進み、あっという間に10Fのボス戦へ。
(marziale:マルチャーレは、「勇士に」という意味があるそうだ。)
ゴロゴロマルチャーレは銀色の殻にダメージを与えると段々と黒い中身が出てきて、そこにインクを当てれば大きなダメージを与えられる。
鈍足だが、画面奥に見えるバンパーにぶつかるとテキが更に出現するため考えなしにインクを当てるのは危険。
更に、殻を剥いでいくにつれ、最初は動きの鈍かったゴロゴロマルチャーレ自身の速さが上がるという、それなりに難易度の高いテキなのだ。
このように手応えを感じながらクリア。強かった。
11F以降もやられそうになったりライフが削れたりとギリギリな状態でクリアして、やっとの思いで15Fへ。
すると、会話シーンが挟まった。
そこでイイダさんが、「ワタシが心のどこかで何も変わらない静かな世界を望んでしまっていたのは本当なんです」と、オーダを生み出してしまったのは自分の心の弱さにあったことを謝る。
「変わる」ことに対する恐怖。元を辿れば、スプラトゥーン2のファイナルフェス、「混沌VS秩序」のときから同じ感情をイイダさんは抱いていた。
それは、ヒメセンパイ、引いてはテンタクルズという居場所が失われてしまうことへの恐怖である。孤独だったイイダさんは、恐れたのだ。
ファイナルフェスが終了してからもこのような不安を抱えていたのは、世界進出とネル社の被害者救援の二つを背負っていたからだろうか。
弱気になっているイイダさんを、ミズタさんは「誰しもが持つ感情だろ」と、ヒメセンパイは「」と、二人がフォローする。
もしこれがスプラトゥーン2の時空なら、イイダさんは泣いていただろう。
しかし、イイダさんは強くなった。
「いえ、おふたりだけにはまかせません! ワタシも精いっぱい力をつくします!!」
イイダさんはこの数年間で、他人を頼る力も、自分の力で歩く力も、しっかりと手に入れたのだ。
......泣きそう。てかちょっと泣いた。
成長を感じたところで、さっそく次の階へ。
苦戦を強いられる場面もあったが、ゲームに慣れたこともありスムーズにクリア。
そして、20Fのボス、カイセンロンド戦へと突入。
(スクショに失敗してボスの名前が見えにくくなってしまった)
(rondo:ロンドは「回旋曲(かいせんきょく)」や「輪舞曲(りんぶきょく)」と訳される。回線と海鮮と回旋の意味を重ねた、任天堂の言葉遊びが伺える。)
カイセンロンドはこの層を全て壊して倒すボスだ。
光を放っているのはセンサーで、これに見つかると更なるテキが出現する。回避方法は二つあり、一つ目がセンサーから離れること、二つ目がイカ状態でセンプクすることだ。
このテキ、スプラトゥーン2のヒーローモードやオクト・エキスパンションに登場したボス、タコツボベーカリーに少し似ている気がする。
しかし難易度はこちらの方が断然上で、近くに寄ればテキの応酬が、遠くに行けばそもそも攻撃できないという難しさを味わう。
特に、反射するコラパルテという、駒のように回転しながら攻撃してくるテキには何回もやられかけたが、どうにかクリア。
このように、死屍累々の状態で最上階を目指す。
トラブルの階を真っ先に攻略したりゲキムズをあえて選んだりするなど、まぁどうにかなるだろうと甘く見ていた矢先のこと。
やられた。
しかも、難易度が「フツウ」の階で。
「後ろを向きすぎてはいけないが、常に最悪の事態は想定する」という言葉の重要性に気づく、愚かな筆者。
ま、まぁまぁ、二時間プレイして26Fも進んだのは優秀な方ではないのか。
そう心の中で言い訳をして、一旦プレイは終了。
さて、次はどのように攻略していこうか。
それではまた会おう。バイバイ。